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歯のおはなし

昔も今も、お口のトラブルは悩ましい。

こんにちは。たんぽぽ会歯科あしはらばし院の内田です。
紅葉の季節がやってきました。
今年は平年並みの見ごろが期待できるそうで、
紅葉の名所はおおいに賑わうことでしょう。

日本最強の観光地・京都では紅葉もさることながら、
41年ぶりのビッグイベント[国宝]展が京都国立博物館で開催され(~11月26日)、
大きな話題になっています。

全国に点在する国宝(美術工芸品)のほぼ4分の1(約200件)がここに集結。
仁和寺の「風神雷神図屏風」や神護寺の「伝頼朝像」(肖像画)など
皆さんご存じの有名な国宝を観ることができます。

そこでおもしろい作品を見つけました。
[病草紙(やまいのそうし)]という平安時代末期から鎌倉時代初期頃に描かれた絵巻物です。
奇病や治療法を精細に描写しており、
医学史ならびに当時の風俗を知る貴重な資料として評価されています。
現在は絵巻物ではなく、病気ごとにページを切り離した状態で保存されていますが、
この中に「歯の揺らぐ男」(歯周病)と「口臭の女」の図があります。
もちろん、これらも国宝です。

「歯の揺らぐ男」は歯のぐらついた庶民風の男が口を大きく開けて、
妻に見せています。
夫婦の手前には食卓(テンコ盛りの飯、一汁一魚二菜)が描かれ、
この頃の食生活を知ることもできます。当時の平均寿命を考えると、
かなり若い年齢で歯周病になっていたようです。

「口臭の女」は若い下級女官が強い口臭に悩んでおり、
「・・・傍らに寄る人は臭さ堪え難かり」という詞書(ことばがき・説明文)が
添えられています。

予防や治療の知識に乏しかった昔は、
口腔内のトラブルは今よりももっと深刻な悩みだったのでしょう。
 そのほか、「眼病の男」という、目の病気の男性を治療する図もありました。
白内障なのか、濁った水晶体に先の尖ったものを刺して摘出させるという
意味のない治療をしています。
野次馬がおり、やっているのは偽医者、目はつぶれてしまったという解説に、
医療の進歩のありがたさを痛感します。
博物館に訪れる機会があれば、[病草紙]もぜひご覧ください。

国宝展 
https://www.kyohaku.go.jp/jp/

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2017/10/28 [Sat]